2012年7月15日日曜日

作られたドーベルマン(アリスの物語3)

アリスとの縁は、アリスを大切に大切に思っていた飼い主さんとの縁でもありました。
動物たちは、いつも人と人を繋いでくれるのです。

アリスがエオの谷に来た日から…アリスにはふたつの家族が出来たんだと、tearは思っています。
手離されたのではなく、避難のためのもうひとつのおうち、それがエオの谷なんだと。
そして、アリスが繋いでくれた縁の糸を紡ぐ毎日が始まりました。
ふたつの家族で、疑問も関わり方も共有しながら…。

エオの谷にやってきた生後半年のアリスの体は、大型犬らしくかなり大きなものでした。
そして、ドーベルマンという犬種は、生まれて数ヶ月のうちに断尾と断耳をすることがスタンダードとされています。
人気種のコーギーも、尻尾がない子は、断尾されています。
人の作ったスタンダードの形…近年は、賛否両論なのですが…。
コーギーの断尾を見学したことがありますが、断耳の犬種と関わったことがないneotearでした。

ふたつの家族の最初の疑問は、実は、この断耳のことでした。

アリスとの出会いは、いろんな意味で勉強になり、人と動物の関わりを改めて真剣に考えるきっかけとなっていったのです。

断尾と違い断耳は、その後のケアが人にとっても、犬にとっても大変なことだったのです。
そんなこととは知らず、耳の立ったドーベルマンを精悍な顔つきだと思っていた自分自身、なんだか考えさせられました。

耳がピンと立つためには、断耳しただけではなく、その後の軟骨形成こそが大切だったのです。
固定した耳に、何ヵ月もかけて軟骨が形成されるのを待つわけです。

ケア途中でエオの谷に来たアリスの固定された聞こえにくい耳、支えを取り換える時の痛みに歪む顔、そんなアリスを見ていると、新しい仲間と一緒にいることが全然楽しめず…。

家庭犬にとって、これって、本当に必要なことなの??
疑問は膨らみ、ふたつの家族で一致した答えは、「形より大切なものがある」ということでした。

そして、軟骨形成のための支えは取り去ることに決めたのです。
そんな理由で、アリスの耳は垂れ耳のまんま、愛嬌のある顔つきのドーベルマンになったのでした。

アリスの気分が軽くなったことは、言うまでもありません(o^−^o)

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