2012年7月9日月曜日

七夕の夜…2

「真っ暗ですね〜!」

「ほんとに暗いですね…。馬は見えていると思うので、信頼して、でも緊張を切らずに行きましょうね。」

この夜のパートナーは、ベテラン「ミッキー」と経験者「ガッシュ」に加え、エオの谷で初の夜外乗の「ルビー」でした。

もちろんミッキーにはLaramie、ルビーにはneo!
無難にガッシュ&tear(o^−^o)

暗い暗い!
ほんとに暗い、夜の林道…。

こんな真の闇、なかなか経験できませんよ!
ついでに、いつ何時、どこから野性動物が現れるかわからないドキドキな状況!

マジで心は恐怖に支配されかけています(+_+)

それでも、この恐怖も月が昇るまで…と、腹をくくり、3人と3頭は進みました。

……と……。

ぽわ〜ん。ぽわ〜ん。

ホタルだぁ…。

「うわぁ…。綺麗…。暗いけど、綺麗…。暗いから、綺麗〜。」

「あっ!あっちにも。あっ!こっちにも…。」

「足下にもいるよ!」

「木の枝にも…真正面にも…。Laramie!ホタルいっぱいいましたね!Laramieの思いが通じましたね!」

よく見ると、ぽわ〜んというよりチカチカって感じなんです。

あっ…そうだ。
ヒメボタルは、こんな光だった。

ぽわ〜んは、メジャーなゲンジボタル。
この時期、山の中でも見られるのは、ヒメボタルなんです。

真っ暗な木のトンネルを抜けると、頭上には星が…。
月が山影から昇り始めたのか、空が開けた林道は、微妙に暗さが和らいでいます。


「昔の人は、ほんとに凄かったんだなぁ…。こんな暗闇だと、ほんとにホタルの明かりも、道しるべになりますね…。」

「まさしく、ホタルの道案内ですね…。」

これが、自然の中の暗闇と光なんですよね。
こんな夜の外乗は、いつも新鮮さをくれるのです。

ホタルの動きで、微かに道がわかる中、ベテラン「ミッキー」がなんだか戸惑いぎみ…。

ガッシュ、今夜はリーダーシップ頼むよ〜。
うん、頼もしい頼もしい!

こんなドキドキするような馬との会話…、お互いの鼓動が聞こえそうな状況…。

そんな中で、馬と人は、より親密に距離を縮めていくのです。
しかしそれは、お互いの真の信頼関係があってこそ。

お互いに呼吸を整えながら、「気」を練り合わせていく感じ…。
本当の生き物同士のシンクロ…。

真の暗闇は、そんな瞬間を感じさせてくれます。

林道を抜け、農道に下りると景色が開けてきました。

そしてそして…、東の山の端から、オレンジ色の大きな月が顔を見せ始めているではありませんか…!

ナイスタイミング!

道端の木には、控えめなイルミネーションのようなホタルの光。

見上げた空には、輝きを増した星が…。

その上、涼しい夜風。


う〜ん…。
パーフェクト\(^o^)/


実は、月と星とホタルの光と夜風という取り合わせは、ほんとに珍しいことなんです!

というのも、月の光が強すぎると星は姿を隠し、ホタルの光も微かに。
そして、透明な涼しさの夜風はホタルの好む環境ではないらしいのです。

星が綺麗に見えるのは、月の光の弱い晴れた夜空。
ホタルが好むのは、曇った風のない蒸し暑い夜。

そんなわけで、この夜のシチュエーションはパーフェクトだったのです。

満月を過ぎた月齢17.5の月が、この夜を可能にしてくれたのでしょうか…。

それとも、織姫さまと彦星さまへのイキなプレゼント?!

月が昇る中、天の川の下で、この素敵な偶然のひとときを、めいっぱい楽しんだ3人と3頭でした…とさ。

めでたし、めでたし!

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