馬場を通り過ぎる風は、隣の大きな樫の木に囁き、周りの小さな草花と微笑み合っているようです。
一週間前も、梅雨なのに気持ちよく晴れた日だったなぁ…。
あの日より、少しだけ気持ちが落ち着いたので、書き残しておきたくて…。
一週間前………。
久しぶりのエオ仲間からの予約の時間、駐車場に止まったいつもの車から降りてきた顔ぶれに、違和感と変な胸騒ぎを感じていました。
確か予約は、仲良し同士のエオ仲間2人とその妹さんの3名だったはず…。
ああ、お母さんも一緒に来られたんだ…。
あれ………?
瞬きするtearの目に映ったのは3人…だけ………。
お母さんと…
妹さんと…
もう1人のエオ仲間だけだったのです。
「あの…」
口ごもるtearに、姿が見えないエオ仲間のお母さんが…
「先月…亡くなりました…。」
と…。
「今日は、あの子の代わりに…、あの子と一緒に…、馬に乗せていただこうと思って来たんです。」
しばらく、何を聞いたのか理解できなくて…、とにかく必死に頭を回転させていました。
春くらいから、体調があまり良くないことは聞いていたものの、よく働く彼女だったので、疲れが溜まったのかな…くらいにしか思っていなかったのです。
「急なことだったので、みなさんにお知らせしていなくて…。」
と話すお母さんの口調は、とても落ち着いて…。
「馬に乗せていただけますか?あの子がもう一度乗りたかった馬に…。」
とても胸に響く言葉でした。
ミッキーを見て、
「この写真の馬は、この子ですか?」
と差し出された写真には、ミッキーにまたがった楽しそうな彼女が。
「そうですよ。ミッキーって言うんです。彼女によく乗ってもらいました。ミッキーにはどちらが乗られますか?」
「私が!姉の写真と一緒に乗ります。姉と一緒に…。」
その時の凛とした妹さんの声が今でも、耳に残っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿