2010年10月18日月曜日

希望の光…9

2009.5.10…
レイが星になり、一週間が経っていた。

ちょうど日曜日の夕刻、お客さまが引けた後で、いつものようにハートとお散歩に出た。

その日は、ハートを連れ出すことに少しだけ躊躇したのだ。

実は前日の折しも満月の夜中、一瞬、陣痛を思わせるような行動をとっていたハート。
ついに…と、意気込んだneotearをよそに、また落ち着きを取り戻しうたた寝を始めていた。

そんなことがあった次の日なだけに、いつ出産が始まってもおかしくはなかった。

散歩中に陣痛とか来ないよな…
不安になりながら、いつもより短めの散歩を終えて厩舎に戻ってきた。

tearとハートが散歩に出ている間に、夕飼の準備はneoがしてくれていた。

厩舎に入るなり、乾草を貪るように食べ始めるハートを見て、今夜も産まないのかなぁ…と少し焦りも感じていた気がする。

できれば今夜産んでほしいなぁ…
その日は寮生活をしている息子が帰ってきていたのだ。
「ハートの出産が始まったら起こして」
前日の夜もそう言って眠りについていた。

ずっと馬のそばで生活していても、馬の出産を見る機会はそうそうはない。
息子に見せてやりたいなぁ。
neoもtearもそう思っていた。

とりあえず、急いで夕食を取ってこよう、そう話をし室内に入った。

ピンキーの出産以来、落ち着いて食事を取った記憶がない。

いつも通り、とりあえず食事をかき込み、いつもより早く厩舎に戻ったのだ。
なんだか胸騒ぎがしていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿